春休みの読書感想文
いよいよ高校3年生のスタートです。
新しい教室は2年前に高校3年生を担任した際の教室と同じ教室になりました。
ふと、教壇の上に立つと、当時の高校3年生の残像が私の中には残っているようです。
そんな思い入れのある教室で再び高校3年生の担任ができること、嬉しく思います。
さて。指定校、公募、AO入試を受験予定の生徒には春休みの宿題として希望する学科に関連する本を読み、簡単な感想文を提出することを課しました。
プログラミング、AI、数学、化学、データサイエンス…皆さんが選んだテーマはとても興味深いものばかりでした。
志望理由書の作成・面接試験では「なぜ、この分野に興味を持ったのですか?」といったシンプルな問いを投げかけられることが多々あります。このシンプルな質問に対してどれくらいの関連知識や情報を語れるかによって本当に熱意があるかを見極めようとしてきます。
今回の春休みの宿題はあくまでも読書をする”きっかけ”としてもらいたいです。継続的に知識を取り入れる先行投資をしておくと後が楽になるでしょう。
3年5組
新年度準備も大詰めです。
いよいよ最後の1年がスタートします。
小論文②
小論文の過去問を少し前に紹介しましたが、そのパート②です。(ちょっと難しいテーマばかりかな?)
とある大学の工学部 機械工学科の公募入試の小論文。
「近年のネットワークを活用した技術・開発を挙げ,社会へ与える影響の功罪を抑える解決手法などを書く。(400字)」
とある大学の工学部の複数学科で共通の公募入試の小論文。
「日本の生産年齢人口が減少するなか国内総生産を維持することについて,付加価値を高める製品や方策を書く。(800字)」
とある大学の工学部の都市デザイン学科の公募推薦の小論文
「都市・交通デザイン学科が取り扱う6つの学問分野から1つを選び,現在の課題と解決のための方策を述べる。(800字)」
今回は工学部系の学科の過去問を並べてみました。現代社会の問題点・課題を挙げて(または挙げさせる)、その課題をテクノロジーを用いてどのように解決していくことができるか論述させる問題が多いです。
度々、このブログで挙げているテクノロジーの進化によって解決できる諸問題についての知識を有しており、またその解決方法を思考できる人材をAO・公募推薦で合格させたいのが大学の意図ですね。その準備のために春休みの宿題として読書を課しています。
終業式
高校2年生最後の登校日となりました。
1年間、ありがとうございました。
こんな私でもこの1年間で多くのことを学び、成長したと言い切れます。一方で若い皆さんはもっともっと多くのことを経験し、成長したことでしょう。
学校教育に関わる素晴らしさを改めて実感できた1年間でした。
昨日は御茶ノ水駅までいき、日本大学、明治大学、東京医科歯科大学のキャンパスを見てきました。素晴らしい教育環境、お互いを高め合うことのできる仲間たち。キャンパスライフはとても素晴らしいものになるでしょう。私も時間を戻せるのならば戻したいと思ってしまいました。
自らの将来を自らの頑張りで大きく変えることができるのが今の皆さんです。来年は皆さんの「全力」を見させてもらいたいです。
本日、HRで学年末試験(とは言ってもアンケート)を行いましたが、一年を振り返ると共に、今年の反省を生かし、前を向いて進んでもらいたいと思います。最後の問の「担任へ一言お願いします。」色んな声があり、楽しく見させていただきました。
さて、特に問題がなければ来年も担任は変わりません。
教室はどこになるのでしょうかね。楽しみです。
真ん中あたりも難化
街中で卒業式を迎えた袴姿の大学四年生の姿が目立つ時期となりましたが、そろそろ今年の大学入試の結果概況がわかってきました。
昨年の大学入試は学則定員の厳格化によって、合格者の絞り込みが行われましたが、今年は学則定員の厳格化の基準が昨年度と同様のため、昨年とあまり変わらないと予想されていました。しかし、さらに厳しい入試となったようです。
早稲田、慶應の合格者はほぼ昨年並み。上智は昨年より合格者を増やしました。受験生は昨年の結果を受け、難化を敬遠して弱気傾向だった様で志願者数は3校とも減少しており、結果的には倍率が減少傾向でした。
一方でMARCHは法政大学以外は合格者を増やし、志願者は中央大学(2学部を新設)以外は減少したため、やはり入りやすくなった傾向のようです。
しかし、問題はMARCH以下の大学の難化にあるようです。抑えのつもりで受けたA判定の大学から合格をもらえなかった受験生が多かったようです。四工大、日東駒専といったグループの大学です。
この原因はやはり受験生の安全志向にあるようです。例年以上に指定校・公募・AOに志願者が流れ、先に挙げた四工大・日東駒専のグループの大学は早い段階で入学生を確保できた状態になった関係で一般入試が難化したようです。
翌年からセンター試験が変わる次年度はさらに安全志向が強まるので過去のデータがより参考になりにくい入試となるでしょう。当然、指定校・公募・AO入試も難化していくでしょう。
あまり良い情報が少なく、ため息が出そうになりますが、そうとも限りません。
合格者数が減っているだけで、総定員数が減っているわけではないです。
上の志望を下げずに十分な併願校を組んでいけば大丈夫です。安易に楽な方に流れるのは逆に危険ですので、残りの時間の中でしっかりと準備を進めましょう。
小論文①
春休みの宿題に本を最低1冊読むことを課題に出していますが、これらは小論文・面接対策を早めに意識したものです。(世間一般的には特に早くはないですが…)
小論文については各大学・各学科で特色のある課題が出題されています。
先日、高校1年生対象に行われ、高校2年生も参加可能となったAO・推薦説明会において講師の方も「小論文の過去問を手に入れることがとても重要」とおっしゃっていました。
いくつかの大学の小論文関係の過去問をいくつか紹介したいと思います。
↓
①知識工学科(公募推薦)
あなたが知識工学科で学びたいこと 及び 学んだことを基に将来どのようにして社会に役立ちたいか(60分 800字)
②都市開発関係の学科(公募推薦)
2020年に東京オリンピックが開催されるが、1960年代のオリンピックと比べて何がどのように変化しいてくか自分の考えを述べよ(60分 800次)
③化学科(公募推薦)
河川汚染について英文を読む。(解答は日本語、全部で60分)
問1)和訳
問2)文章から答えを探して答える問題
問3、4)和訳
問5)論述 テーマ:河川汚染が50年前とどう変化したか?(300字)
④機械工(AO)
自動車・ロボット・ロケット・携帯・パソコンのうち、どれか1つについて1200字~2000字にまとめたレポートを事前に出願時に提出
一応、大学名は伏せておきますが、クラスでも名前の挙がっている大学をチョイスしました。
これらのテーマについて自分の考えを述べる際に、読書などを通じて得た知識が活きてきます。よってインプットされている知識量が多ければ多いほうが論述に深みが増します。1冊といわず、能動的に本を読む習慣を身に付けていきましょう。
高3生による受験体験記
本日、答案返却と共に、高校3年生による一般受験の受験体験記を聞く会が行われました。大学受験を終えたばかりの先輩方(とてもホットな状態)の話を聞く機会は皆さんにとって有意義なものだったと思います。
私もいくつかの教室を回りましたが、印象に残った言葉を書き出しておきたいと思います。
「英語を軽視したことによって上位大学(GMARCH以上)から合格をもらえなかった」
「物理は定理・公式の証明がとても大切。応用問題を解く際に証明内の式変形や考え方が役に立つ」
「化学はセミナーを反復して完成させた」
「化学の問題を解く際にその単語を『知らない』という状態が最大のピンチ」
「数学Ⅲは学校で教科書を終えるのが、10月頃とどうしても遅くなる(現役生の弱み)。逆に10月頃からは数学Ⅲの演習に追われることになり、ⅠⅡABの演習に手が回らなくなる。なので、今のうちにⅠⅡABの十分な基礎固めをしておいたほうがいい」
「数学はだいたい青チャートかFOCUS GOLDだと思います。自分はFOCUS GOLDを3周しました。これで数学はだいたい完成すると思います。」
「赤本の演習は自分は11月頃から始めた。始める時期は人それぞれで時期に正解はないです。」
「入試は想定外のことがたくさんおきます。そして、たくさん不合格をいただきました。メンタルやられますよ。」
「センター試験、80%必要だったのに、72%と失敗した。落ち込みました。それでも、切り替えて受験校を下げ、国公立を受験ました。」
他にもたくさんありましたね。
中には第一志望に進学できない先輩もいました。ほとんど面識のない皆さんを前に自らの経験を赤裸々に語る先輩達はどのような想いで語ってくれたのでしょうか?
恐らく自らの失敗と成功の経験を伝えることで、勝負の一年となる皆さんにエールを送りたかったのでしょう。そんな彼らも今から1年前にさらに1つ上の先輩からのエールを受け取り、受験を乗り切ったわけですから。
先輩から後輩へ。毎年のように見ているこの光景。いつ見ても、自らの力で受験を乗り越えた彼ら彼女らの表情は輝いています。